解説
英語を学習していて、多くの人が一番最初に気づく地域差は、アメリカ英語とイギリス英語のそれだろう。アメリカ人の使う英語は時に、「英語」ではなく「米語」とも呼ばれるだけあって、その英語はイギリスのそれと異なる部分が多い。
語彙に関して言えば、水道の蛇口はアメリカではfaucetでありtapではない。アメリカ人がchipsと言えばポテトチップであり、イギリス人が言うところのフライドポテトではない(因みに英国ではポテトチップはcrisps)。こういった単語の違いは特にアメリカがイギリスと袂を分ってから生まれた産業や分野のもので顕著である。これらの差異に興味のある方は、Karen's Linguistic Issues - British, Canadian and American Vocabularyを参照のこと。
綴りも、イギリス式ではなくアメリカ式のものが考案されており、イギリス式よりもより発音に忠実なものになっている。英ではcolourのところを米ではcolor。劇場もtheatre(英)ではなく、theater(米)となっている。 より詳細なリストが下記のサイトにあるので、興味のある方は是非参照を。
Georgia State University, Department of Applied Linguistics ESL - Spelling Differences between British and American English
広大な国土を有しているだけに北部英語や南部英語と言われる地域的なバリエーションも多々あるが、人種が他の英語圏に比べて多種多様なだけに、人種間の差異も豊富。AAVE(African American Vernacular English)、いわゆる黒人英語などはその最たる例。アメリカ英語のスラングや方言を語る上でも欠かせない要素である(当ブログでもいくつか紹介をしている)。また、ラティーノと呼ばれるスペイン語圏からの移民も増えているだけに、スペイン語由来のスラング、方言も今後より増加を遂げるのだろう。
単語リスト
ABC
ABP
ass kisser
dawg
DELTA
dipshit
Dixie
doggy bag
donk
doodie
2:弾音化された/t/。
これはflappingという現象で、intervocalic(母音に挟まれた)/t/の音が日本語でいう[ラ]ないしは英語の[d]に近い音で発音される(厳密には異なる)というもの。例えば、waterの/t/は前後が母音に挟まれているので、[ウォーター]ではなく[ウォーラー]のように聞こえる。
flappingの解説動画。
この現象はカナダ英語でも顕著に現れるので、アメリカ英語の特徴というよりは、北アメリカ英語のそれと言ったほうがいいだろう。
アメリカ英語の個々の音素に関しては、下記リンクを参照されたい。
・University of Iowa - Phonetics: The sounds of American English
・fonetiks.org - American English Pronunciation
DELTA
dipshit
Dixie
doggy bag
donk
doodie
Mick Dicks
Mickey D's
munchies
nuke
ono
on the fritz
pain in the ass
party animal
pawg
peter
phat
Philly
picky
Plain Jane
poop
projects
queen bee
Mickey D's
munchies
nuke
ono
on the fritz
pain in the ass
party animal
pawg
peter
phat
Philly
picky
Plain Jane
poop
projects
queen bee
動画
・アメリカンスラングvsブリティッシュスラング on Ellen
・「タバコが好きです」がとんでもない意味に。アメリカ英語とイギリス英語で同音異義語のスラング、"fag"
音声的特徴
音声面でもアメリカ英語の音声はイギリス英語のそれと異なる。また、国内でも地域差、人種差が多様。
語彙を主に扱う当ブログでは、細かい地域差等はあえて紹介しないが、アメリカ英語の発音でイギリス英語にはないものを二つ紹介しておく。
1:アメリカ英語はrhotic accent。
rhoticとは、簡単に言えばrの音が常に発音されること。アメリカ人の"here"を聴くと、/r/の巻き舌音がはっきりと聞き取れる。一方、イギリスや豪州、NZではnon-rhoticであり、母音の後のrは発音されない。heartという単語を例にとってみると、イギリスでは/ha:t/、アメリカでは/ha:rt/となる。但し、イギリス英語でも、/r/のあとに母音が続く場合はこの限りではない(例:fatherの後にandが続く場合)。また、アメリカ国内でも、ボストン等一部の地域では、non-rhoticであることに注意。下記の動画で実際にこの音の違いをご覧頂きたい。
・「タバコが好きです」がとんでもない意味に。アメリカ英語とイギリス英語で同音異義語のスラング、"fag"
音声的特徴
音声面でもアメリカ英語の音声はイギリス英語のそれと異なる。また、国内でも地域差、人種差が多様。
語彙を主に扱う当ブログでは、細かい地域差等はあえて紹介しないが、アメリカ英語の発音でイギリス英語にはないものを二つ紹介しておく。
1:アメリカ英語はrhotic accent。
rhoticとは、簡単に言えばrの音が常に発音されること。アメリカ人の"here"を聴くと、/r/の巻き舌音がはっきりと聞き取れる。一方、イギリスや豪州、NZではnon-rhoticであり、母音の後のrは発音されない。heartという単語を例にとってみると、イギリスでは/ha:t/、アメリカでは/ha:rt/となる。但し、イギリス英語でも、/r/のあとに母音が続く場合はこの限りではない(例:fatherの後にandが続く場合)。また、アメリカ国内でも、ボストン等一部の地域では、non-rhoticであることに注意。下記の動画で実際にこの音の違いをご覧頂きたい。
2:弾音化された/t/。
これはflappingという現象で、intervocalic(母音に挟まれた)/t/の音が日本語でいう[ラ]ないしは英語の[d]に近い音で発音される(厳密には異なる)というもの。例えば、waterの/t/は前後が母音に挟まれているので、[ウォーター]ではなく[ウォーラー]のように聞こえる。
flappingの解説動画。
この現象はカナダ英語でも顕著に現れるので、アメリカ英語の特徴というよりは、北アメリカ英語のそれと言ったほうがいいだろう。
アメリカ英語の個々の音素に関しては、下記リンクを参照されたい。
・University of Iowa - Phonetics: The sounds of American English
・fonetiks.org - American English Pronunciation