"btw"、"ttyl"、"imo"等等、TwitterやFacebookなどのSNS、ネットゲームのチャット等で、意味の分からない英語の文字列を見かける事はありませんか?
これらはacronym(アクロニム/頭字語)と呼ばれる略語の一種、複数の単語から成る文や単語・熟語の頭文字を繋げて作られた語で、英語スラング(特にインターネットスラング)を語る上では避けては通れない存在です。当辞典でも頻繁に登場するワードなので、本エントリでその定義を明確にしておきたいと思います。
因みに、冒頭で述べた"btw"というスラングですが、これは"by the way(ところで)"という熟語が縮約されたアクロニムとなります。次の項目では、「そのアクロニムって何なの?」という疑問を、クリアにしていきましょう。
・アクロニムとは何か?その定義。
まずは、アクロニムがどういったものであるのか皆さんに把握して頂く為に、スラング以外での例を挙げてみます。アクロニムというものは言語に関わらずアルファベットが使われる場合、様々なところで見つける事が出来ます。
例えば、航空会社の全日空"ANA"は"All Nippon Airways"が縮約されたアクロニムであるし、北大西洋条約機構の通称"NATO"は"North Atlantic Treaty Organization"のアクロニムであります。
例1:ANA = All Nippon Airways
例2:NATO = North Atlantic Treaty Organization
頭字語と日本語に訳されるように、複数の単語から成る文や単語・熟語の頭文字を繋げて作られた語がアクロニムの定義です。上記の例に見られるように、各単語の頭文字のみで各アクロニムが構成されているのが分かりますよね。
また、アクロニムには下位カテゴリが存在します。基本的には頭字語自体の総称をアクロニム(acronym)とする事が多いのですが、厳密にはこれをイニシャリズム (initialism)とアクロニム(acronym)の二つに分類する事が出来ます。
・イニシャリズム:頭文字を一字ずつアルファベットの名前で読むものが該当。前述のANAは[エイエヌエー]と一字ずつ読まれる為こちらに該当します。
・アクロニム:隣接するアルファベット群を繋げた単語をそのままの発音で読む物。上で例示したNATOの読みは[ネイトー]なのでこちらに分類されます。
因みに前述のANAというアクロニムの正式な呼称は同社によりますと[エイエヌエー]であり、上述の方法によるとイニシャリズムに区分されるのですが、一部には[アナ]と読む方も多くいらっしゃいますよね。この読み方をされた場合はイニシャリズムではなく、アクロニムに該当します。発音の仕方によってカテゴリがガラッと変わる良い例ですね。
当辞典ではいちいち分類して記述するのが面倒なので、便宜上全てを「アクロニム」と呼んでいます。
閑話休題。
・インターネットスラングとアクロニムは何故相性が良いのか?
インターネットスラングとして使われる場合のアクロニムの最大の利点は「表記する文字数を極端に削減出来る事」にあると思います(会話でも同じですが)。
例えば、140字という文字数の制限があるTwitter上ではその効果は特に絶大で、"FIY=for your information"というスラングの場合17字が何と3字に削減できるのだからこれはとても省エネですよね。
また、チャットやSMS等では、レスポンスの早さもコミュニケーション上重要な要素になってきます。タイプする文字数が少なく済むということは、返信を速く出来るということなので、こういった場合でもアクロニムの発揮する効果は絶大になってくるわけです。
・More to Read
スラングとして関連性の高いものはインターネットスラングの項目に多数収録してあります。アクロニムに分類されるスラングは、「略語」のタグで纏めてあります(一部アクロニム以外も混ざっております)のでこちらも併せてご参照下さい。