同音の数字によって置き換えられる頻出のインターネットスラング。




当ブログのコラム「英語のインターネットスラング一覧」において、スラング形成の法則をカテゴライズしてご紹介しましたが、その中に同音である数字による置き換えというものあります。

まず、本題に入る前に同音(意義)とは何か定義を明確にしておきます。

homephone(同音異義語)...A homophone is a word that is pronounced the same as another word but differs in meaning and spelling(wikipedia homophoneの項目より引用)

要は、「発音は同じだが、意味や綴りが事なる単語」の事。

インターネットスラングの各ページで述べていますが、チャットやSMSにおいてはタイピングをいかに速くするか、レスポンスが非常に重要になってきますし、twitter等では文字数に制限があるので、この場合はいかに短くするかがインターネットスラングでは"キモ"になってきます。

この、「速く短く」という要望に答える上で、数字が果たす役割というのは非常に大きく、本来は三文字必要なところが、一文字(キーボードで言うとタイピング一回)で済むのいうのは非常に省エネで便利なわけです。


どの数字が頻出なのか?
1, 2, 4, 8...インターネットスラングとしてはこの四つの数字をよく見かけます。というよりはこれ以外の数字はまず登場しないと思って頂いて結構です。

さて、各数字が置き換わる実際の例を詳しく見ていきましょう。

1.
数字の1の発音は[ˈwʌn]で、人を意味する"one"と同じ。

sum1 = someone
any1 = anyone


2.
twoの発音は[tú:]

2 = too
"me too"等のように「~も」を意味する"too"の発音は[tú:]と同じ発音。

2 = to
2nite = tonite/tonight
他のスラング系のブログにありがちな誤謬なのですが、数字の2(two)と上記の前置詞の"to"や"tonight/tonite"の2の部分"は同じ音ではありません(※)。似たような音なので入れ替わっているのです。

※to...[tənáit]、tonight...[tənáit]:これらには/ə/曖昧母音のシュワー(schwa)が使われています。数字のtwoを[トゥー]と発音するのであれば、これらは[トゥ][タ]に近いです。前者に関してはストレスが置かれる場合はこの限りではありません。


4.
数字の4の発音は[ˈfɔ:(r)]、カタカナで表記すると[フォー]。これと同じ音、もしくは似た音の部位が置き換えられる。

4 = for
「~へ」や「~の為に」を意味する前置詞の"for"の発音は[ˈfɔ:(r)]で数字の4=four[ˈfɔ:(r)]と同音

4ever = forever
単語の構成要素の一つとして出現する場合も。foreverの発音は[fɔ:révə(r)]で数字の4[ˈfɔ:r](アメリカ英語の場合)と同じなので置き換えが発生する。

4get = forget
実はforgetの発音は[fə(r)gét]で、この単語のforの部位は数字の4[ˈfɔ:(r)]と厳密には同音ではない。ただ、近い発音のためforgetのforが4に取って代わられているケース。このように、全てのforというスペルが数字の4と同音ではない事に留意しておきたい(2の項目と同じで結構勘違いしている人が多いです…)。


8
数字の8の発音は[eit]つまり[エイト]。下記の単語の構成要素の一部が同音になる。

l8r = later
数字の[éit]と同じ発音の部位[léitə(r)] = laterが8に変わっている。

l8 = late
上記のlaterと同じ。

w8 = wait
数字の[éit]と同じ発音の部位[wéit] = waitが8に置き換えられている。

h8 = hate
上のw8と同じ。数字の[éit]と同じ発音の部位[héit] = waitが8に置き換えられている。

8 = eight
「食べる」を意味する動詞eatの過去形の"ate"の発音は数字の8と全く同じです。


ご紹介した以外にもこれらの数字によって単語全体や一部が置き換えられるインターネットスラングが存在しますが、この法則を知っていれば類推は容易です。